【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
光に透けると白くなるくらいに脱色していた髪は黒くなってる。


いつか追い付くと思っていた背は、逆に差が開いた。


耳についていたピアスはなくなり、かわりに鼻にピアスがくっついてる。


細かった腕は男の人なんだなと思うような筋肉がついた。


喉仏も出て、声も低くなった。


「はるかも座れば?」


だけど、この笑顔は変わらない。


切れ長な二重の目が、笑うと垂れる。


小さな頃は牙だと嘘をつかれ信じ込んでいた八重歯。


羨ましいとしょっちゅう言っていた高い鼻。


変わらない陽介の顔。


だけど、大人っぽくなった。


そんなことを考えながら、陽介に少し間をあけて座った。
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