【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
陽介が私を見て笑い出した。


「お前まだそれやってんの?」


え?


陽介は、自分の鼻を指でつまむ。


!?


無意識に鼻をつまんでいた手を慌てて離した。


「少しは高くなったんじゃね?」


斜めに分けていた私の前髪を、陽介の手がかきあげる。


心臓の音が早くなっていく。


「あ、あれだって嘘だったんでしょ!!」


手を払うように叩きながら言うと、陽介は私の鼻をギュッとつまんだ。


「お、高くなってんじゃん(笑)嘘ではなかったんだな」


屈託ない笑顔に、鼓動が大きく跳ねる。


「バーカ!!」


そう言って陽介の頭をはたいた。
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