【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
座って待っていると、直樹がトレーを持ってやって来た。


「お金やっぱり払うよ」


「中学生に出させるわけねーだろ」


トレーからおもちゃを取って私にくれた。


「…ありがとう」


何か、こそばゆい。


…人に奢ってもらうって、本当はこんな気持ちになるもんなんだ…。


椅子に座った直樹は、トレーを縦にしてポテトとハンバーガーを私の方に置いた。


ストローを開けたと思ったら、小さい方のコップに刺して私の前に置いてくれた。


「ありがとう」


こんな気遣い康平じゃ絶対出来ない。


当たり前のようにサラッとやってくれた。


18歳ってこんななんだ…。


目の前でハンバーガーを頬張る直樹が大人に感じる。


何だか、同年代の人に女の子って扱いを初めてされたからか、戸惑い半分照れ臭さ半分で渡れたおもちゃを開けた。
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