【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
ビブレの前に立っていると、渓が走ってやって来た。


「まじごめんね!!」


顔の前で両手を合わせる。


そんな渓は、ピンク色のワイシャツに紺色のミニスカート、足元はルーズソックスに履きつぶした茶色のローファーで、本当に高校生だったんだと思った。


「ううん、香水買えたし気にしないで」


「でも時間もう少ないよね」


流行っていた昭和第一の学生鞄のポケットから携帯を取り出して言った。


時間はもう14時近い。


「後1時間くらいなら大丈夫だよ」


「本当?無理しないで門限間に合うように帰ってよ?」


そう私の門限を気にしてくれる渓に嬉しさを感じた。
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