【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
と言うより、私は自分と他人に境界線を引きすぎていたんだ。


施設の友達でも、親が面会に来たり、週末や長期休みには家に帰れる子は自分と違うと思っていた。


同じなのはいずちゃんだけ。


でもいずちゃんも、小さい頃は親に愛してもらえたんでしょ?


決して口にはしないけど、そんな感情は心の奥底にあった。


誰も私みたいな人生歩んでるヤツはいない…。


疎外感や自分を可哀想に見ていたからか、そんな気持ちが強すぎて境界線から中には人を入れることができなかった。


いや、近寄る勇気がなかったんだ。


親に捨てられて、信用していた人に裏切られた私は、他人にまた裏切られ捨てられるのが怖かっただけなんだ。
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