【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
だから、知り合ったばかりの渓に誘われて遊ぼうと思えた自分はすごいと今でも思う。


だからこそかな。


渓が私の門限を気にしてくれたなんて些細なことが、ずっと今の私の中でも嬉しく思うのは。


「じゃあさ、洋服でも見ようか!今セールだし」


ビブレの中をのぞき込んで言う渓。


友達と服を見に行ったことすらない私には新鮮で、渓や直樹のように流行りを知ってみたいという感情のまま、2人の後ろをついて行った。


春に修学旅行用の服を買いに来た以来。


相変わらずショップではガンガン音楽が鳴り響いて、渓と直樹のように肌を焼いた店員さんが甲高い声をあげている。
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