【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
学校に行く気なんてさらさらなかったけど、とりあえず帰らないと私以外の人に迷惑がかかる…。


憂鬱な気持ちでタクシーに乗り、口に出したくない行き先を告げた。


「さくら児童養護施設まで」


タクシーに乗って15分くらい。


施設の前に到着した。


玄関の扉に手を当て大きくため息をついた後、ゆっくりと手に力を入れた。


「はるか!!」


玄関で正座していたいずちゃんが、私の名前を大きく呼んだ後慌てて手で口を覆い、周りを見渡した。


「ごめん、バレた?」


私も周りの様子を伺いながら、小声でいずちゃんに話しかける。


「違う違う、はるかのせいじゃない。昨日夜中抜け出した罰」
< 8 / 358 >

この作品をシェア

pagetop