【実話】かげおくり~また君に恋をしたい~
「もういいや。さっちゃんなら分かってくれると思ったのがバカだった」


そう言って私は部屋へ帰って行った。


「どうだった?」


ベッドに寝ころがって雑誌を読んでいたいずちゃんが、私の顔を見上げる。


「ダメ。あいつまじ頑固すぎ」


「まじだぁ。…じゃあ、仕方ないからペナルティ受ける覚悟で行く?」


そんな話をいずちゃんのベッドでしていた時、ドアをノックする音が聞こえてきた。


「どーぞ」


不機嫌な声で言うと、ドアから顔を出したのは私を不機嫌にした張本人。


「何?もうさっちゃんと話すことなんかないんだけど?」


いずちゃんの読んでた雑誌を隣から覗き込んで言った。
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