割れた砂時計
『俊も、亜実も。今の俊は………少し狂ってるよ』
目が。
瞳が……。
私をまっすぐ見つめていた瞳。
きれいで、逆らえない瞳。
唯いわく、どこか遠くを見ているような瞳。
いつ亜実が自分の側からいなくなるかという恐怖。
いつ亜実を奪おうとするかわからない男たちの存在。
そんな思考が、今の俊を占めているんじゃないかと。
唯はそう言ったんだ。
俊、どうしたら―――――
そのような、呪いみたいなものから
離れられますか?