割れた砂時計


「別れよう」



それは、たった一言で。
そんなので、終わるはずがなく。


だから、私は準備した。
こと細かく、最後の最後まで、想定して。



『何、言ってんの…?亜実は、ずっと俺の側にいるんだよ…?』


「ううん。今日で終わりだよ」


か弱い。
震えて、今にも崩れそうな俊。
見ていられない。私、泣きそうだよ。


でも泣けないの。
終わらせなければいけないから。


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