割れた砂時計


今、まさに目の前で砕け散ったその砂時計を見て思った。
泣いちゃいけないと思いながらも、
目には涙が浮かんできていたの。


私がしっかりしなきゃいけないのに。





もし昔、お父さんとお母さんの言っていたことが本当だったら。
あれをひっくり返したら、前のあなたに戻る?


無邪気な笑顔を、また見せてくれたかな?





そんなのは、お父さんとお母さんのいたずらだけど。
もし、本当だとしたらね。




でもそれは、砂時計の外身は割れてしまって。
中身の砂は散らばってしまって。


悲しいくらいきれいに。
キラキラと輝いていたのでした。


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