割れた砂時計


お守りとしての砂時計。
割れたのは、不幸の知らせでした。


でも、
不幸中の幸い、なんて言葉があるものです。
最後まで、それを信じて。






『なあ、お前は俺らのお守りだろ?なら、守れよ。俺と亜実は、ずっと一緒だから。ずっと一緒だから……』


「―――俊、現実を見て。砂時計は割れてるよ。……ねえ、あなたは気づいていない?自分自身が、おかしくなってるのを」


『知るかよそんなこと!!!!俺には亜実しかいなくて、ただそれだけなんだ。なのに、なんでなんだ……』


そして俊は―――
用意していたかのように、クローゼットの引き出しから、あるものを取り出した。


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