割れた砂時計
『よっ』
「俊…??」
私は外へ出た。
私の家の近くにいただなんて、びっくりした。
『わざわざ出てこなくてもよかったのに。もう暗いし』
「びっくりしたよ~っ」
『あ、練習で走んのこっち方面なんだ。ついでにさ』
そう言って笑う俊はやっぱりかわいかった。
1年でスタメン選ばれて、真新しいユニフォームを来た俊。
無邪気な笑顔をしているけど、立派なレギュラーなんだ。
凛々しいその姿が、かっこよくも見えた。
『絶対シュート決めて勝つから』
「楽しみにしてる」
『顔見れてよかった。今日はもう遅いし、家入りな』
そんな気遣いも、俊ならではだった。