割れた砂時計
『あーみっ!』
そう言って、私の両肩を後ろから叩く。
「俊!!」
『亜実は相変わらず小さいなぁ。……大会、きてくれてありがとな。おかげでシュート決めて勝てたぜ!!』
ほこらしげなピース。
汗ばんだユニフォームは、勝利を得た、何よりの証だろう。
「俊って意外とすごいんだね!」
『意外と、って何だよ!かっこよかっただろ~?』
「ま、まあね。かっこよかったよ!」
目の前の笑顔のかわいい少年は、
顔を真っ赤にして、照れ笑いをしていた。
今まで、あまり見たことのない表情だった。