割れた砂時計


『ごめんね、そうだよね。よかった、亜実ちゃん一途だね。……悔しいけど、お幸せに』


そう言って、その女の子は帰って行った。


きっと、俊に面と向かって告白したら断られるの、わかってたんだろうな。
だから、私に言ってきたのかも。


でもね、
私は俊のことが好きで
俊は私のことが好きで


別れる理由なんてないから。


なんだ、
俊はさんざん私の心配ばかりするけど。
俊だってモテるじゃない。


むかつく。


ちょっとした嫉妬だった。


< 67 / 142 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop