割れた砂時計


俊がトイレに行った隙に、彼らのうちの1人―――――
佐々木尚(ささきしょう)が半ば強引に私を呼び出した。


『どうして俺の物になってくれないの?』


『……なあ』


肩を触られた。
嫌だ、気持ち悪い……


「私が好きなのは、俊だけだから。それだけだから」


『その口、黙らせてやろうか』


………?
意味が、わからなかった。
けど、壁に押し付けられて。


近づく顔を見てわかった。


「いや…!」


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