千夜。
大切な人
「千夜(チヨ)。
高校卒業して、ちゃんとした仕事に就けたら、結婚してくれないか。」
「私でいいの…?」
「お前がいい。
返事は……?」
「……はい。」
学校帰り、明(アキラ)と自転車の二人乗り。
私達がした最後の約束。
キキーーッ ドンッッ
大きな音がして、体には激痛。
何が起きたのかわからない。
体が痛くて、起き上がることもできない。
目を開けたその先には血だらけの明。
何も考えられず、意識はそこで途切れた。