千夜。


私の言葉を聞いて、余計に泣き出す母。


母の肩を抱いて顔を歪める父。


顔を隠し、泣いている看護師。


涙を堪えている私の担当医だと思われる先生。


その時、私の頭には血まみれの明の姿が離れなかった。


母が口を開いたとき、父が「無理をするな」と一言言った。


「私から話そう。

…………明君は……亡くなったよ。」


「う……そ……。」


「嘘じゃない。本当だ。」


「うそ、嘘よ!!明を出して!!ここにつれてきて!!」


私は泣きながら発狂した。


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