千夜。


なんで、千夏さんが謝るのかわからなかった。


普通なら私が怒鳴られてもおかしくない状態だ。


明は死んで、私は生きているのだから。


「なんで、謝るんですか……
謝らなくちゃいけないのは私の方なのに……
明を…明を守ることができなくてすみませんでした……」


昨日の事を思い出し、また涙が溢れた。


千夏さんは昨日の母みたいに私をぎゅっと抱き締めて泣いていた。


その日から、私はリハビリを繰り返し、歩けるまでに回復した。


退院して、明のお葬式などいろいろやった。


お葬式はすぐにでもできたのだけれど千夏さんが私の退院を待っててくれた。


明との思い出は楽しかったことが大半だったけどやっぱり悲しいこともあって、いろんな思い出がいっぱいあった。


写真もいっぱいとってたから明との思い出は残ってる。


写真に撮らなかった日々は私の体に、心に残ってる。


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