HYPNOTIC POISON ~催眠効果のある毒~
「まさか、ゆずが最後のメンバー?」
「んなわけないだろ。あいつだって犬を戦力にできるほど余裕があるわけじゃねぇだろ?」
と、まこは呆れ顔。
途端にゆずがしゅんと項垂れた―――ように見えた。
「じゃあ残り一人は……」
「残り二人だ」
まこが腕組みをして、僕を見上げる。
「まこ、お医者さんなのに簡単な計算できないの?」
呆れてまこを見下ろすと、(って言うか新鮮。こうやってまこを見下ろすのって。まあ、まこは椅子に座ってるだけなんだけどね)
まこがのっそりと立ち上がった。
「久米の言う白雪姫のストーリーになぞらえてあるのなら、
お前は王子だ。
つまり鍵を握っている小人はあと二人」
あと二人―――………
僕は王子―――?