HYPNOTIC POISON ~催眠効果のある毒~


まこは僕の首の辺りやらでふんふん鼻を動かして匂いを嗅いでいる。


「?」


訝しげに目を細めると、


「嘘は言ってねぇみたいだな。あいつの匂いがしない」


「まこに嘘言ってどうするんだよ。ってか雅は動物か」


「野生動物並みに勘がいいし、ついでに獰猛で凶暴だ」


「勘が良いってとこは当たってるかも、だけど獰猛で凶暴なんかじゃないよ」


獰猛で凶暴なのは、まこの方だよ。


「ってか退いて」


僕はまこを押しのけようとした。


だけどびくりともしない。相変わらず……認めたくないけど体格の差だな。


ゆずが何事か鼻をひくつかせて僕とまこの間に割って入ってこようとしてるし。


まこは僕に覆いかぶさったまま、にやりと意味深な笑みを浮かべた。


な…何かイヤぁな笑顔だな。


僕は慌てて急所である首の辺りを押さえた。


ここを押さえられたら終わりだ。夢も見ずに、あっけなくおネンネだ。




「お前さ。俺や鬼頭にはとことん弱いよな。


ってか気を許してる相手には?って言った方が正しいのか。


空手の有段者だし、ホントは強いくせに」


まこが不敵な笑顔を浮かべて目を細める。


は……?






「本気だせよ。じゃなきゃ愛しの鬼頭は守れないぜ?」






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