HYPNOTIC POISON ~催眠効果のある毒~


「んじゃその意見とりあえず採用ってことで♪」梶がご機嫌に頷いて、久米は勝手に黒板にチョークで書き付けている。


なんなのあんたら。息ぴったりじゃん。


うんざりした様子で久米が黒板に書き付けている様子を眺めて、あたしは気付いた。


カリカリカリ…


と小気味良い音を立てて書かれていく文字は意外にもきれいな文字で…


左利き?


何となくその手に目がいった。


「…………」


ぼんやりとその様子を窺っていると、


「ちょっと梶田くん!真面目にやってよね!」と森本さんが眉を吊り上げて怒った。


「はぁ?これでも真面目にやってるンすけど」


と梶は不機嫌顔。


森本さんは、どうやら梶が苦手…というか嫌いみたい。


まぁ見るからに優等生の森本さんからしたら、梶なんて別世界の人間で合わないのは当然か。


梶も梶で森本さんをあまり好いてはいない。


誰にでも人懐っこい梶は森本さんにだけは冷たい気がするし。


「喧嘩はやめなさい。僕はいいと思うけど?メイド喫茶」とここでようやく黙って事態を傍観していた水月が手を叩きながらこっちに向かってきた。


森本さんは恥ずかしそうに顔を逸らし、梶は面白くなさそうに唇を尖らせる。


ってか水月も、メイド喫茶いいと思うって教師としてどうなの!?








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