HYPNOTIC POISON ~催眠効果のある毒~
□Chairs.8
□Chairs.8
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久米と右門議員の繋がり―――
被害者と、加害者。
ようやくうっすらと事件のあらましが分かった気がした。
だけど知ったところでどうすべきか分からない。
「どうする?相手は議員だぜ?俺たちが手出しできる問題の範囲を超えてる」
まこが険しい表情で僕を真剣に見据えてきて、僕はそれに何も返せなかった。
向かいの席で、安藤母娘が不安そうに手を取り合って、
「あの…それについてまた冬夜に問題が……?」と叔母さんの方が眉を寄せて聞いてきた。
「まだ分かりません」
そう答えるのが精一杯だ。実際、久米が何を考えているのか僕にはさっぱり分からないのだから。
安藤母娘は益々不安そうに身を寄せ合い、口元に手をやっていた。
まこの言う通り、確かに相手は議員だ。
下手したら、僕たちの立場どころか雅や、さらには久米一家にも何らかの危険が及ぶ可能性がある。
でも、ストーカーは今も続いているんだ。
そいつは雅を今でも狙っている。
その現状を黙って見過ごすわけにはいかない。僕は彼女を守ると決めたんだ。