HYPNOTIC POISON ~催眠効果のある毒~
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昼休み、僕はまたも保健室に来ていた。
僕の相談にまこはメガネのブリッジを持ち上げる。
「なるほど。
久米の秘密に関して現在、
楠と右門 篤史ってヤツが名乗りをあげてるって状況か。
より良い条件に返事をした方がいいぜ?
まるでオークションみてぇだけどな」
「オークションって…真面目に考えろよ」
と、何故か僕にくっついてきた梶田が昼食のパンにかじりつきながら、まこを睨む。
「お前に言われなくても真面目に考えてるっつうの。
てかお前、昼飯ぐらい自分の教室で食え。ここは食堂じゃねぇっつの」
まこが腕組みをして梶田を睨んで、僕もそれに同意した。
「そうだよ、クラスメイトと仲良くしなさい」
「だってさぁ、誰がストーカーの協力者か分かんねぇ状況なんだぜ?
そんな中で食ってられるかっての。
それにさぁ…鬼頭と乃亜ちゃんの中が険悪で…俺、その中でどうやって飯食やぁいいの。
食った気しないよ」
後者が正直な気持ちだな。
まぁ分からないわけでもないけど。
「女性同士の喧嘩ってなんか怖いよね」
「分かる」
と僕とまこも顔を合わせて苦笑い。