HYPNOTIC POISON ~催眠効果のある毒~



嘘つきの騙し合いゲーム……か。


確かに彼らの言葉の何もかもが嘘のように思える。僕だって何が真実で何が嘘なのかさっぱりだ。


考えれば考えるほど混乱していく。


「一度状況を整理しようぜ」


まこは引き出しからトランプを取り出した。


「こんなもの、どうしてあるのさ」


僕がそのトランプを取り上げると


「授業さぼってここでポーカーやってた生徒たちが居たんだよ。ったく、ここは博打場じゃねぇっつの。


んで取り上げてそのまま」


「先生混じんなかったの?儲けてそうじゃん」


と梶田が場を和ませるように笑って僕の手からトランプを奪う。


「アホぬかせ。学校で堂々と賭けなんてするか。


それに博才なら俺よりこっちの方があるぜ?」


まこは梶田からトランプを奪い嫌味ったらしく僕を目配せ。


「麻雀だけね」


「先生……爽やかな顔して麻雀とか……おっさんだな。


あんたのファンの女生徒が知ったら倒れるな」


梶田が呆れたように僕を見てきて、僕は苦笑い。




< 639 / 841 >

この作品をシェア

pagetop