HYPNOTIC POISON ~催眠効果のある毒~
嘘つきの騙し合いゲーム……か。
確かに彼らの言葉の何もかもが嘘のように思える。僕だって何が真実で何が嘘なのかさっぱりだ。
考えれば考えるほど混乱していく。
「一度状況を整理しようぜ」
まこは引き出しからトランプを取り出した。
「こんなもの、どうしてあるのさ」
僕がそのトランプを取り上げると
「授業さぼってここでポーカーやってた生徒たちが居たんだよ。ったく、ここは博打場じゃねぇっつの。
んで取り上げてそのまま」
「先生混じんなかったの?儲けてそうじゃん」
と梶田が場を和ませるように笑って僕の手からトランプを奪う。
「アホぬかせ。学校で堂々と賭けなんてするか。
それに博才なら俺よりこっちの方があるぜ?」
まこは梶田からトランプを奪い嫌味ったらしく僕を目配せ。
「麻雀だけね」
「先生……爽やかな顔して麻雀とか……おっさんだな。
あんたのファンの女生徒が知ったら倒れるな」
梶田が呆れたように僕を見てきて、僕は苦笑い。