HYPNOTIC POISON ~催眠効果のある毒~
その写真をネタに
「これをバラまかれたくなかったら、金輪際あたしに何かしてこないでよ」と睨みを利かせると、女子たちは顔を青くして、それ以来いじめはなくなった。
何でもだけど、図太くいかなきゃ。
と言う訳で平穏な日常を取り戻すことができたわけだけど、
「あんたのせいでこっちは酷い目にあったよ。もうあたしに近づかないで」美術バカに言ってやると、そんなことがあったなんて全然知らなかった彼は顔を青くして
「大丈夫!?ほんとごめん!!」と謝ってきた。
あまりにも素直に謝られてこっちは拍子抜け。
「いいよ、別に。あたしも言い過ぎた。ってか八つ当たりだ。近づかないでって行ったのは嘘。いつも通りにしててよ」
あたしは苦笑を返すと、彼はあたしの両肩に手を置いて、
「ボクは守るよ。何があっても鬼頭さんを」
何があっても守る―――
なんて台詞吐かれた。
今聞いたら笑っちゃうかもしれないけど、だって中二だったし?一体何から守るって言うんだよ。
どうやって守るって言うんだよ。
なんて考えちゃうけど、当時のあたしはちょっとこの言葉が嬉しかったり。
その感情が何なのか結局今でもわからないけれど、あたしはそれなりに彼を好いていた。