HYPNOTIC POISON ~催眠効果のある毒~
「俺とあっちゃん…アツが出逢ったのは二年前だ。事件の直後」
久米はそう言いながら、デスクの上に乗せてあるノートパソコンを開いた。
黒いノートパソコン。
「一年前ぐらいに買ってもらったんだ。全国模試で高得点取れたときのご褒美」
「ふぅん。おぼっちゃまじゃん」
冗談ぽく言ってやると、
「うち、金持ちだから」と冗談でフザケタ答えが返ってくる。
「あっそ。じゃぁ文化祭の準備費用あんたが出してよ。
儲かってるんでしょ、おうち病院だし」
「そんなんで勝っても嬉しくないだろう?」
「まぁね」
そんなくだらない会話をしている間に久米はパソコンを立ち上げ、
インターネットであるページを開いた。
HPだろうか。
黒っぽい背景に白字で
『201X年、少女ストーカー傷害事件についての掲示板』
と言う文字が浮かび上がった。