闇を纏う(恋愛ミステリ)
― 数時間前

「会長、文化祭の各クラスの出展の事なんだけど」

生徒会が終わり、純が生徒会室を出ようとすると、同じクラスで副会長の豊田遥香が声をかけてきた

私立丸川学園女子高等部

東京郊外に位置するこの学校は、わりと校風が自由で、生徒の自主性を尊重してくれるのだが、文化祭等の学校行事に関しても方針が同じため、純達生徒会役員は大変だった

「じゃ、そんな感じでお願いね」
「了〜解」
遥香が立ち去ると、純はフ〜ッとため息をつく
「管理する側って大変だなぁ〜」
今までの文化祭は、ただ楽しんでやれたのに…

廊下の窓から、薄暗くなった外の景色を眺めながら思った
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