闇を纏う(恋愛ミステリ)
ホテルを後にし、海堂と遥香が乗った車の後ろを、殺し屋の車が走っていた


「さっき海堂さんが言ってた、同じ職業って・・・?」助手席の純が殺し屋に訪ねた

殺し屋はしばらく黙っていたが
「二杯目のジンジャーエールに、薬が」
「えっ!?」
純が目を見開く
「それって・・・」

海堂の運転する車が、遥香の家とは逆方向の道に曲がった

青ざめる純
「遥香が!」

車は林道へと進んでいる

曲がりくねった山道

海堂の車がカーブの先に見えなくなった

続いて曲がると、道路を横切るように海堂の車が道を塞いでいた
左窓から銃を持った海堂の腕が伸びる!

パンッ!!

殺し屋の車のフロントガラスに蜘蛛の巣の様なヒビが入った!
ハンドルを切り衝突を避ける殺し屋
車体がガードレールを擦り、ガリガリと音を鳴らしながら進む!
海堂の車が発進し、さっきとは前後逆、殺し屋の車を海堂の車が追う形になった
「伏せろ」
殺し屋が純の頭を押さえ、ハンドルを左右に切る
海堂の車から銃声が響く!

殺し屋が銃を取り出す
「待って!遥香が!」
純が叫ぶ


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