闇を纏う(恋愛ミステリ)
「どうでるか・・・」

海堂はリビングのソファに座り、コーヒーを片手にくつろいでいた

主要な進入経路にはとりあえず部下を配置してある

「ま、あまり効果はないだろうが」
あの殺し屋なら見張りを始末するのは簡単だろう

しかし問題は進入した後だ

海堂は軽く舌打ちした
まさか神崎がこれ程まとまった人数を連れて来るとは思っていなかった





命を賭けた緊迫感

これに勝るスリルはない

「出来ればサシで勝負したいねぇ・・・」





― 豊田遥香は床に寝かせてある

この一件が終われば用済みだ
始末する

「そうだ、あの純とかいうガキの目の前で・・・」
ひとりで色々想像し、笑みを浮かべる

扉が開き、部下の一人が駆け込んできた
「裏門の見張りが二人、死んでいます!」
海堂がニヤリと笑う
「あ、そう。まぁ任せるよ」
カップをテーブルに置く



「火事だ!!」
遠くで誰かが叫ぶ声が聞こえた
「・・・おっと〜」
海堂が顎に手を当てる

「ここはいいから、消火の方を」
「は、はい!」
部下が慌てて部屋を出ていく


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