闇を纏う(恋愛ミステリ)
― プシュッ!

扉の向こうで人の倒れる音がした

海堂が驚くほどの敏捷さで扉そばの壁に背をつける
手にはすでに拳銃が握られていた


扉を蹴る!
プシュッ!
中間より少し上、人間がいれば胸の辺りになるだろう

扉に穴があく

海堂が廊下に躍り出る!
銃口の先に殺し屋の姿を捉えた!
パンッ!
弾が階段の手すりをかすめ壁の額縁を砕く!
プシュッ!
弾丸の風圧を感じ、海堂の髪の毛が数本床に落ちる


殺し屋の姿がなかった
「上か!」
階段下に走り階上に向かって銃を構える!
殺し屋の姿が一瞬見えた!
パンッ!
手応えがない
海堂は階段を駆け上がった

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