森の中の
…は?
なに、いまの。
ドタドタドタッ‼
バタンッ
勢いよくリビングのドアを開けると、
ちょっと~もう少し丁寧に開けなさいよ~
トビラ壊れちゃうじゃない~
と、お母さんと、
顔色ひとつ変えないヨウ兄と、
トビラの音に驚く、女の人。
「ちょっとヨウ兄!
どういうつも、り…」
その女の人と目が合い、あたしの声はどんどんしぼんでった。
その人と初対面だからってのもあったし、
なにより、その人の尋常じゃない綺麗さがたぶん、
1番の理由だと思う。
「あ、アヤちゃん、だよね?
初めまして、わたし、石野ミユキっていいます。」
よろしくねって、ミユキさんは少し高い、柔らかな声と、
極上の笑みをあたしに向けたんだ。
「は、へ、あの、」
「こいつが、俺の妹のアヤネな。 ちなみにトロい。
おい、お前寝癖ついてんぞ。早く用意しろよ、あと20分だからな。」
あたしがアタフタと会話にテンパっていると、ヨウ兄が横から入ってきた。
てか、トロいって何よ!一言余計だよ!
「髪の毛しばるから寝癖は大丈夫。
じゃなくて! あたしキャンプとか、一言も聞いてない!
そんな急に行けないにきまってんでしょ!」
「そりゃ、さっき言ったからな。
なんだよ、お前予定あんの? ないだろ?」
「ヨウ、やっぱダメだよ、こんな急じゃあ。
女の子には色々あるんだし…」
そうそう、女の子にはいろいーろ、
あるんですぅー‼