森の中の
そっか、2人は去年からもう付き合ってたのか。
助手席に乗り慣れた風のミユキさんの笑顔を見て、
胸がずきっとなったけど、知らないふりをした。
「よし、じゃあ、しゅっぱーつ‼」
という可愛いミユキさんの声と共に、
車はキャンプ場へ向けて、走り出した。
あたしたちを乗せた車が、
順調に高速道路を走っていく。
「ねえ、キャンプってあたしたち3人だけ?」
「そうだけど?」
ヨウ兄がミラー越しに当たり前というようにチラリとあたしを見る。
いやいや、おかしくない?
あたし完全にお邪魔虫じゃん。
「わたしが言い出したんだ。
アヤちゃんにどうしても会ってみたくて。
ごめんね、貴重な夏休みなのに。」
ウルウルッて見つめてくるから、気がつけば首を全力で横に振ってたよ、あたし。
うーん、ちょっと気まずいけど、ミユキさんいい人そうだし、
美人だし、大丈夫かな。
うん、ちょっと楽しみになってきたよ、キャンプ。
なんて、あたしゲンキンなやつだな~。
でも、しょうがないよね、ミユキさんみたいな人に 会ってみたかったの、 なんて言われたら男じゃなくてもソワソワ嬉しくなっちゃうよ。
程よい揺れの中、
あたしは流れる景色を窓から眺めていた。