太陽のキセキ


そっと見上げれば

大きな瞳が俺をジッと強い視線で見ていて

ドクンと心臓が大きく跳ねる。


美しい顔に、細い体つき。

近くで見ると遠くで見ていた時より2割増し、綺麗に見えた。

とにかく俺を赤面させるには充分だったってこと。



だがそんな俺にはお構いなしに

指先をスッと出して俺の机を指し示(シメ)しす。


「私、この席にするわ。」


えっ?

ココ!?



「どいて。」


中堂志の言葉を理解するよりも早く、ヤツは俺を退かせようシャツに手をかけたのだ。


バンッと机を叩き、勢いよく立ち上がる早苗が視界の片隅で見えた。

「勝手なことしないで!!」


やっと覚醒(カクセイ)したようだ。

怒声が響き渡る。


助かったと言うよりも

よりややこしくなりそうな予感がするのは気のせいだろうか?


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