太陽のキセキ


早苗のヤツ、越されることわかっててやってんのかな?

それなら、何が面白いのか・・・
俺には理解できない。



だけどもし負けたら俺がやることになるのは確実だ。

万が一の可能性に賭(カ)けているのかもしれない。

0,00001%にも満たないけどな。



「何考えてんの?早く早く〜」


やっぱり越されたいらしい。
引き戸からひょっこり出された無邪気な笑顔は、ただ追いかけっこがしたいだけに見える。

女子と追いかけっこなんかしたくないが、あんな顔で待たれたら断れない。


てか、俺がやってもやらなくてもどちらにしろ早苗が得をするのだ。

やったら追いかけっこができて、

やらなかったら、河先に宿題を届けなきゃならない。



俺は早苗のお望みどうり追いかけっこをしてやることにした。


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