太陽のキセキ


時間が止まってしまったかのようだと言っても実際、止まっていないわけで。


ボーッと中堂志を眺めていた時間はそれ程長くはなかったはずだ。

だけど

"キーンコーカーンコーン"

と鳴るチャイムに、授業の始まる時間には間に合わなかったことを知った。



「中堂志、さん?」


早くしないとサボりになって欠席扱いだ。

俺達の中学はそういうところは厳しい。

すぐに親に連絡がいく。

ばぁちゃんに心配をかけるわけにはいかない。


「中堂志さん!!」

「気持ち悪い。」

「はい?」


もしや喧嘩を吹(フ)っかけているのか?

"気持ち悪い"って失礼な。


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