太陽のキセキ


「はよ〜」

スキップをしながら、涼の席に向かう。

心吾はまだ来てないようだ。


「ちょっと、朝っぱらから何なのよ。」


げっ。
席に着くまえに早苗(サナエ)に遭遇(ソウグウ)してしまった。


コイツは月地 早苗(ツキチ サナエ)。
クラス1の乱暴者だ。
そして仕切り屋。

しかも小学校の頃からずっと同じクラスだからか、何かと俺に絡(カラ)んでくる。


「別にいいだろ〜?」

「よくないわよ。スキップ目障(メザワ)り。」


しょうがない。
俺はスキップを止め、わざとらしく腰を屈(カガ)めばぁちゃんのマネをしてよたよたと早苗の前を通る。


「ウザい。」

バチンと思いっきり早苗に叩(タタ)かれた。


「いって〜」


おぉ〜、怖い怖い。
冗談(ジョウダン)も通じね〜。


「中村くんって馬鹿だね〜」

クラスの女子も容赦(ヨウシャ)ないし。


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