太陽のキセキ


「中堂志。授業始まっちゃったぜ?」


「そうね。」


早速呼んでみたのだが、"さん"と呼んでいたときよりしっくりくる。


「あぁ、そうだ。俺のことは"竜希"でいいからな?」


「考えとくわ。」



何だろう。

歓迎会の時と比べ、格段とキツさも薄れ、大人しい。
いや、元気がないと言うのが正しいのか?


"私に構わないで"くらい言われると思っていた俺は拍子抜けする。


「眠いのか?」

「別に普通よ。」


普通と言いながら淋しげな瞳は変わらない。


やはり元気がないのかもしれない。


俺の方をまだ一度たりとも見ていなかった。


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