太陽のキセキ



「あんた達って相変わらずガキね。・・・


散れーーーーーーーーーッ!!!!」




早苗の呆れた声に続く、耳をつんざくような怒声だった。


俺はパッと目を開け、急いで辺りを確認すると


早苗の迫力(ハクリョク)に青い顔をしてバタバタと席に戻っていく西津達に、


やはり呆れた様子でそれを見遣る女子。


さすが早苗。



そして、特等席には中堂志が座っていた。


5限目と同じように。


外を眺(ナガ)めて・・・





だけど、遠くから見たら同じように見えたのに何かが違う。


西津達に言い返さなかったのもおかしいし。



そうだ。


5限目とは明らかに違う。

覗き込んだ、綺麗な顔からは何も読み取れない。


俺の苦手な無表情に戻っていたんだ。



< 54 / 64 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop