太陽のキセキ
足早に去っていく早苗。
俺達はその背中を静かに見送った。
「やっぱダメか~」
「あの早苗だからな。」
俺と心吾が肩を落とす。
そして
「どうしたのかしら?」
果たして自分のした発言を理解しているのか。
訝しげな表情の中堂志。
鈍感なのか、空気読めないのか。
でも、今回、惜しかった。
この感じだったら、上手くいきそうだ。
ま、まだまだ時間はかかりそうだけど。
早苗に素直さを分けてやりたいよ。
「中堂志は早苗と友達になりたいんだよな?」
一応確認。
「えっ?ま、まぁなってやってもいいわよ?」
あぁ、こっちにも素直さが足りなかったようだ。
まだまだ太陽が暑い中、俺達は叫ぶ。
「じゃ、行くか!」
「っおー!!」
心吾と俺の声が木霊する。
ちょっとだけ希望が見えてきた竜希だった。
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