透明な水
光ちゃんは、病院に行ったからか調子が良さそうだった。


「点滴したからかな。」
光ちゃんは笑っていた。
なんでもない透明な水のような点滴なのに、私よりも、ずっと役に立つ。

「光ちゃん。」

「ん?」

「私の前では絶対に無理しないでね。」

「なんだ?年寄り扱いか?」

「だって、光ちゃんは私よりずっと、年だもん。」

私は、ニーッと笑って見せた。
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