透明な水
帰ってみると、光ちゃんが起きていた。


光ちゃんの膝で猫の“たまご”が気持ち良さそうに眠っていた。


「起きて大丈夫?」


光ちゃんは弱々しく微笑んだ。


「あぁ。」


それだけ言うと“たまご”の頭を撫でた。


その様子を見ていた私を見た光ちゃんは


「こっちにおいで。」


と私を呼び、頭を撫でた。


以前のように優しかったけれど、力がないのが切なかった。
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