DISGUISE
由紀は休憩時間になると、こっそりトイレの個室に籠もった。

もう既に一年以上に亘って仮面を装用している。
すっかり性格も明るくなった。
仮面を着けていない時は敢えて鏡を見ないようにしてきたが、もしかしたら素顔にも何らかの変化をもたらしているかも知れない。

淡い期待を抱いて、由紀は手鏡を片手に、ゆっくり仮面に手を掛けた。

だが、一瞬にしてそんな期待は打ち砕かれた。

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