DISGUISE
もう後の事は、その時になって考えれば良い。
どうせこんな生活は、いつまでも続けられない。
仮令これが刹那の幸せだったとしても、今はこの瞬間を思いっ切り楽しみたい。


こうして二人は、その日の内に一夜を共にした。
彼はこの時になっても相変わらず優しく、もっと女性の扱いには手慣れているのかと思っていたが、意外にもとても誠実であった。

由紀はこの夜、結婚を前提にした付き合いを申し込まれ、正に夢心地の中、自分が幸せの絶頂にある事を噛み締めていた。

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