コントラスト
「ご、ごめんなさい…」
「いや、俺こそいきなり離しちゃったしな…」
スルリと回された腕が解け、
後ろを振り向くと、目に入るのはキラキラした銀のネックレス。
予想以上に背が高いことに驚きながら、目線を上に上げた。
高く通った鼻に、
切れ長の目と、涼しげな目元。
男の人にしては白く綺麗な肌の上に端正に造られた顔立ち。
でも彼の場合、真っ先に目にはいるのは整ったソレではなく、
サラサラ、と綺麗な銀の髪が揺れる。
右側はスポーツマンカットなのに対し、左になるにつれて髪が長くなり、左肩にサラリと流れて、前髪もそれにあわせたアシンメトリー。
彼はなぜか目を見開いているけど、多分私も目を見開いている。
だって…
「へ…」
「へ…?」
「変な髪型…」