可愛くない同居人。
健は晃を睨みつけるが、晃は涼し気な顔をして僕に視線を移した。
「明日、空いてるか?」
「明日?」
「夏祭り行こーぜ!夏祭り!」
さっきまでふてくされていた健が笑顔全開で言った。
「色んな屋台、色んな浴衣を着た女の子達・・・行くしかないだろ!?」
「花火も打ち上がるし、割と楽しいぞ。どうする?」
夏祭り・・・今まで一度も行ったことがない。
行くことも二度とないだろうと思っていた。
だから、行ってみたい。行きたい。
「ぜひ、行かせて下さい」
僕はそう言って軽く微笑んだ。