可愛くない同居人。

健は晃を睨みつけるが、晃は涼し気な顔をして僕に視線を移した。


「明日、空いてるか?」

「明日?」

「夏祭り行こーぜ!夏祭り!」


さっきまでふてくされていた健が笑顔全開で言った。


「色んな屋台、色んな浴衣を着た女の子達・・・行くしかないだろ!?」

「花火も打ち上がるし、割と楽しいぞ。どうする?」



夏祭り・・・今まで一度も行ったことがない。

行くことも二度とないだろうと思っていた。

だから、行ってみたい。行きたい。



「ぜひ、行かせて下さい」

僕はそう言って軽く微笑んだ。


< 102 / 155 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop