可愛くない同居人。
少しして、健が沢山のお菓子を持って部屋に入ってきた。
「お待たせー」
健の後ろから、健によく似て活発そうな女の人も、健に続いて入ってきた。
「あっきーハロー!」
「相変わらず元気だね、奈菜(ナナ)さん」
「ちょっ、姉貴は入ってくんなよ!」
「いいーじゃん。お?見慣れない人が」
僕は軽くお辞儀をし、ニッコリと微笑んだ。
「初めまして、瀬尾(セノオ)凛です」
たぶん健のお姉さんと思われる奈菜さんという人は、何故かジーッと僕を見つめた。
「姉貴?」
怪訝そうに健が奈菜さんの肩を揺すった。
奈菜さんはハッとし、わざとらしく大きく笑った。
「り、凛くん!初めましてー!健の姉の奈菜です」
「綺麗なお姉さんですね」
そう言って僕はもう一度ニッコリと微笑んだ。