可愛くない同居人。
健は楽しげに言う。
「そーそー!やっぱり夏といえば夏祭り、夏祭りといえば浴衣だろ!」
そうなんだろうか?
夏祭りに参加したことがなければ、浴衣も着たことがない僕は、そういうことに関しての知識が乏しい。
「まぁ、俺はべつにいいけど」
「僕は、浴衣持ってないんで」
「じゃあ俺のを貸してやるよ」
「え?でも」
「いーからいーから!遠慮なく使ってくれ!」
「凛、使ってあげな。健のために」
「なんで俺のためなんですか晃くんよー?」
二人の喧嘩?を眺めながら、なんだか面白くて僕は笑った。
この後も、こんな感じで話し合いがゆっくりと進み、今日は健の家に泊まることになった。