可愛くない同居人。


台所に行き、朝ごはんを作る。

シャワーを浴びたのか、濡れた髪をタオルで擦りながら、凛がやってきた。

上半身裸で。



「服着なさいよ!」



凛は男の子にしては細く華奢な体型だが、筋肉はしっかりついていて、綺麗な体をしていた。

って、何見てるんだ私は!!


「あなたにしては美味しいですね」


焼きあがって皿に盛りつけていた卵焼きをつまみ食いされた。


「あ、こら!つまみ食い禁止!」

「口、開けて下さい」

「へ?」

目の前には、私にしては上手にできた卵焼き。

ゆっくり口を開くと、ヒョイと入れられた。

美味しい。

「はい、これであなたも同罪です」


凛はいたずらっぽく笑い、台所を出て、リビングのソファーに腰掛けた。


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