可愛くない同居人。

私はタオルを冷たい水で冷やし、凜の部屋へ向かった。


ノックすると、どうぞという返事が返ってきた。

「おとなしく寝てるね、偉い偉い」

「・・・バカにしてます?」

「してません!」


睨みつけてくる凜のおでこにそっとタオルをのせる。


「どう?気持ちいいでしょ?」

「はい」

「何か食べたいものとか、欲しいものとかある?」

「ないです」

「そう。何かあったら言ってね」

改めて部屋の中を見渡すが、とてもすっきりしているというか、物が全然置いていない。

必要最低限の物だけがあるというかんじで、まさに超シンプル。

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